ボブ・スティール

生年月日 1998年8月29日

出身地  アメリカ合衆国 ニューメキシコ州 アルバカーキ

私がびんがた職人を目指したのはエイサー祭りに出会ったことがきっかけです。私は父の影響で7歳から沖縄空手を習っていました。大会に出場するため来日した際、はじめて触れる異文化にわくわくしたことを覚えています。

その後、大学を卒業してサンフランシスコの金融会社に勤めました。競争が激しい業界だったため、当時は私もトップマネージャーを目指し、数字を追い求めることに没頭していました。スキルアップのために勉強し、お客様から契約を勝ち取る。充実した毎日を送っているつもりでしたが、心の底から楽しめていない、どこか満たされない感覚がずっとありました。

そこで、4年間働いた会社を辞め、世界中をバックパッカー旅行に出たのです。南アメリカ、ヨーロッパ、アジア、さまざまな国をめぐり、最後に訪れたのが沖縄でした。

そして、子供のころにお世話になったことのある安里空手道場にご挨拶に伺い、稽古に参加しました。そのうちご縁ができ、沖縄伝統空手道振興会から海外旅行者向けの道場稽古体験のサポートをするようになったのです。

その年の夏、道場の仲間に連れられて初めてエイサー祭りに行きました。魂に響き渡るお囃子と唄声、それに祭り装束の美しさに私はすっかり目を奪われてしまったのです。その装束に紅型が使われていることを知り、紅型について知るうち、紅型職人を目指すことを決めたのです。

びんがた工房比嘉栄照への弟子入りには、安里空手道場の師範に骨を折っていただきました。その節はありがとうございました。

弟子入りして7か月が経ちました。今は社長のお宅に間借りしています。午前中は紅型の色差しの修行、午後は〇〇店で接客をしています。おかげ様で日本語が上達したように感じます。

師匠もお女将さん兄弟子も厳しいくも温かく私を導いてくれます。一人前のびんがた職人になり、故郷のアルバカーキに店を持つために頑張っています。

ぜひ一度、那覇市国際通り本店に遊びに来てください。