工房の紹介 第15代 比嘉 栄照(ひが えいしょう)

琉球王朝時代、私どもは士族以上の階級が着用する紅型(びんがた)を作っていました。

ところが王府解体で上流階級からの需要がなくなり、新たな挑戦として庶民向けに安価な風呂敷などを製作するようになりました。それでも職人の生活は貧しく、食料は毎日海から自力で調達する有様でした。

さらに再興の機を待つことなく勃発した第二次世界大戦で、私たちの工房はすべてを焼失してしまいました。

そのような戦後の壊滅状態の中、紅型(びんがた)の復興に尽力した一人に、当家13代 比嘉 栄照(ひが えいしょう)がおります。仲間と共に廃品を拾いながら使えそうな材料を集め、戦火を逃れた型紙の収集のために本土へ渡って奔走したと聞いています。本土から譲り受けた1枚の型紙から再出発し、現在までに1000枚を超える型紙が職人の手で作られました。 こうして守り続けられてきた「琉球びんがた」。私どもは、この美しい染物を次世代に伝える使命と向き合い、かつ、皆様の日常の彩となることを願い作品を作り続けていきます。

内容
1634元々染物の工房で働いていた創業者一郎が独立し紅型(びんがた)を作る工房を開業。
1636士族以上の階級が着用する紅型の生産に着手。
1703江戸時代中期に独自の技法を築く。需要がより高まる。
1879王府解体で上流階級からの需要がなくなり、新たな挑戦として庶民向けに安価な風呂敷などを製作を開始。
1944工房はすべてを焼失。型紙の収集のために本土へ奔走。本土から譲り受けた1枚の型紙から再出発。
196410代目十郎が、伝統的な染色技術と新しいデザインを融合させた作品で注目を浴びる。
2009新たな染料やデザインを取り入れ、伝統的な染物を現代風にアレンジ。特に、花柄や風景模様の染め物が人気を博す。
2012オンラインで注文を受け付けるようになり、世界中の顧客に美しい着物を提供。
2021国内外のファッションショーで成功を収め、世界的な名声を得る。